「でも病気で・・・だから弟のために奇跡を買いにきたの」

薬剤師の男性は、テスの言った意味がよく分からないという様な

表情を浮かべていたので、テスは更にこう続けました。

「私の弟アンドリューっていうの。

頭の中にできものがあって、それがだんだん大きくなっているの。

パパがアンドリューを助けるお金がないって言ってたから、

キセキがいくらで買えるのか知りたくて・・・」



そして悲しげな顔をして薬剤師は

「おじょうちゃん、力になってあげられなくてごめんな。

残念だけど奇跡は売ってないんだ。」

「お願いします、お金はあるの。

これで足りないならもっと持ってくるからお願いします。

値段を教えてください!」

すると今度は横で話を聞いていた薬剤師の弟が、テスに質問をしました。

「どんな奇跡が必要なのか分かる?」

テスは貯金箱を抱きしめながらその思いを伝えました。

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