そんなに裕福じゃなかった母は

昔から重ねた本にタオルを巻いて枕代わりにしてたらしく、

その頃もまだ即席枕を使うクセが抜けてなかったそうだ。

なんだか見抜かれた気がして恥ずかしかったらしい。

二度は来ないな、と決めた。

そして・・・

しっかりと施術してもらって身体も楽になった翌日、

母はさっそく自分の勤め先の百貨店で枕を買う事にした。



まだその頃は、羽毛とか綿とかソバ殻しかなくって

ビーズやら低反発やらは置いてなかった。

母はある程度固くて高さの調節がしやすそうな

ソバ殻の枕を選んだそうだ。

その日、早速買ったばかりの枕を使ってみたら、

自分でも驚くくらい熟睡していた。

しばらく快眠が続いて、同僚からは

「最近、○子さん(母の名前)がんばってるね」

みたいなこといわれて、

なんとなく話の流れで肩こりとか整体とか

新しい枕の事を話したんだってさ。

そしたら・・

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