不幸な日々はまだまだ続いた

入院中にもかーちゃんに癌が見つかったり

元気だった祖父が倒れたり

家が火事になったり

彼女に振られたり。

つくづく不幸に見舞われた。

あまりにも不幸が続くものだからって

一族の墓を任せていて、昔から懇意にさせてもらっているお寺の住職さんに

お祓いをしてもらうことになった。



住職さんは俺には別に何を言うでもなく、淡々とお祓いを終わらせた。

ただ、帰り際に

「○○君、何を拾ったの?」

と、ぼそっとつぶやいた。

「えっ!?」

驚いて振り返ると、お坊さんは優しい笑顔を崩さないまま

自分に今起きているであろうことを説明してくれた。

呪いの正体はある”習わし”だった

「落し物を簡単に拾ってはいけないよ。

昔から憑き物(厄)を落とすにはわざと何かを落とすんだ。

それはお金だったり宝石だったり様々だがね。

それらと一緒に憑き物(厄)を落とし、拾った者を身代わりにする。

まぁ、変なのは憑いてないみたいだけど、厄を背負ってるみたいだから

あと一年は注意しておきなさい」

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